U1の飯旅 28歳からの料理人への道

料理人として0からの挑戦、28歳底辺からのスタートでプロの料理人になるまでの記録

人生最大のピンチ 農家さんを訪ねて高知県へ

【ラッキー農園訪問記】

 

7月4日から6日まで高知県大豊町ラッキー農園の酒井さんのところに行ってきました。

3年前に初めて行って生姜の収穫を手伝わせてもらって、今年も農作業手伝ってきました、、

と言いたかったのですが、皆さんご存知のように西日本はヒストリカルな大雨で、農作業を手伝ってきたのですが、それどころではなくなってしまいました。

 

これは今は安心しているので書ける内容ですが、災害の怖さを体験して、改めて、生きてて良かったと思いました。

 

4日。
行きはまだ降ったり止んだりで、台風も過ぎ去ったことだし、もしかしたら晴れ間も出るかもなといった呑気なことを言えていまして、実際に青空も少し出てたんです。

しかし高速道路が通行止め区間が出ていて、バスの到着も予定より3時間遅れ。

到着した日は農作業もできず、温泉に連れて行ってもらって、夜は宴でした。
本当に楽しい夜で、終始笑い続けていました。
今年一番笑ったかも。

 

翌日5日はトマトの脇芽をとる作業。
トマトはお日様が命。
それが1週間晴れ間が出ずで、心配です。
第一陣のトマトも緑ですが、収穫ももう間近というところで、この天気はほんと勘弁してくれ。


雨もこの日は1日中降り続いた。
山の雨ってすごいですよ。
当たると痛い雨ってわかりますか。
風とともにヒョウみたいな雨
あんなのが延々続くんです。
ハウスの屋根に打ち付ける音で、1mの距離で話していて、
え?って聞き返すくらい。
大声出して話すもんだから作業と同じくらい会話に体力がいる笑

 

さて、トマト。
上に伸びていく必要な脇芽と不要な脇芽の区別がわからずに、大事な脇芽も切ってしまって、ほんと申し訳なかったです。損失ですからね、
しばらくすると目も慣れてきて、なんとかやりきりました。
限界突破トマト」がなぜあんなにコクがあって美味しいのか、それは

 

"作業の手間を惜しまない"

 

農家さんの姿勢にあったのではないでしょうか。
お日様がなるべく当たるような工夫、例えば毎回ハウスの屋根を開けて、お日様が直接当たるようにする、茎をペンチで曲げて、トマトが葉っぱに隠れずに日が当たるように調整したり、、、


酒井さんは独自の農法を試行錯誤で今のやり方にたどり着き、収穫も安定してきているようです。
ちょきちょきしてあっという間に1日が終わってしまいました。

 

生姜ですが、雨に打たれ続けながら頑張って耐えていました。畑が棚田になっているので、水が流れていく構造なので、一応は無事でしたが、冠水すると非常にまずい状況だということ。
農作業の計画もこの雨でずれてしまって、作業がほとんど進んでいないので、困っています。

 

そして昨日6日
同じペースで延々降り続く雨で、この日も朝から大変強い雨が降っていました。
8日に仕事があって、帰らねばならず、どうしようかどうしようかと1時間以上悩んで、作業も手につかず。
明日まで帰る日を延ばそうとしても、明日も同じペースで降るので、道路も山の状況も悪くなるばかり。
日曜日には曇りになって、走れる道も出てくるかもしれないけど、仕事に間に合わない。

 

国交相のHPでは、国道、県道が次々通行止めになって行って、もしかしたら大豊町から出れなくなるかもしれないという危険性が出てきた。

電車で徳島に向かって、淡路島経由で帰るルートだったのですが、電車は全滅。

 

そして明石海峡大橋が通行止めというニュース。


四国から本土に向かう橋が次々通行止めになって行って、いよいよやばいぞと飛行機で帰ることに。

家を出る前は大豊町から高知までの高速が使えるということで、酒井さんに迷惑をかけて送ってもらうことに。

 

山から下りてくる道は超危険。
道端に大木、石が平気でゴロッと落ちていて、
山の上から今にも落ちそうな丸太がむき出しでなんとか止まっている状況でいる。
道はコンクリートが凹んで今にも崩壊しそう。
この連続。


そして川がやばかった。

 

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いつもは穏やかな川が怒り狂っている。
動画で見てもらえると伝わるか、
山道はとにかく超危険。

国道は通行止めなんだけど、抜け道から通行止めの国道の中間地点に出て、そこから通行止めゲートを出る。
「一度出ると入ってこれないですよ」と
言われながら、
これは酒井さんは送った後国道を使って家に戻れないことを意味する。

県道も通行止めなので完全にアウト。

 

そして頼みの大豊町から高知市の高速が通行止め。
おい、ネットの情報とちがう。


あとで分かったことだけど、違うサイトでは通行止めになっていて、見ていたページで反映されていなかった。

そこで、迂回路に次ぐ迂回路でなんとか峠を超えて空港まで無事について、後は酒井さんが無事で帰ることが最大のミッションになった。

 

地図で確認すると、
高知からの山道から439号線という県道がなぜか通行止めになっておらず、その他の道は全方向通行止め。

 

ただ山道は先ほどお伝えした通り超危険。
じゃあ暗くなる前に家に帰りますとここで解散。

 

めちゃくちゃ不安で、何回かHPを更新しながら様子を見ていると、解散から1時間半後くらいか、更新した時に、先ほど酒井さんが向かった高知から県道に出る道が通行止めになっていた。
これはヤバイと思って、電話すると、

 

「その道はちょうど今抜けました!!」

 

というので人生最大の安堵。
ほんとアルマゲドン


そこからも山道で帰るので、なんとか無事を祈りつつ、解散から3時間後に到着の連絡が。
いやぁ本当に人生で最大の安堵。

 

僕は19:00の飛行機だったので、ちょうどその連絡を受けて、離陸し、無事に羽田につきました。

 

自分のせいで人の命を奪ってしまうところでした。
これは大げさではないです。
酒井さんご夫妻には多大なご迷惑をかけました。

 

本当に無事でよかった。
生きてると心の底から感じる瞬間でした。

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