U1の飯旅 28歳からの料理人への道

料理人として0からの挑戦、28歳底辺からのスタートでプロの料理人になるまでの記録

【飯旅】300年続く百姓の味を食らう 百姓屋敷じろえむ 

昨日は千葉県南房総市にある食事処に行ってきまして、そこは築300年を誇る立派なお屋敷でした。

百姓って身分が低いイメージがありましたが、とんでもない。

 

まず門構えから

 

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え!?

 

ここ曲がったら何もないだろうっていう畑道を行ったところにどかんと出てきました。

 

そして、

 

門を入ると「コケッコッコー」と大合唱が聞こえてきました。

 

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ニワトリさんがいるのですが、じろえむさんにくるということは

 

「あ、ニワトリがいるなぁ」

では終わらないのです。

 

 

「これからあなたたちをいただくのね。。」

 

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じろえむさんでは自家栽培の有機野菜とお肉も育てて食べるまで全部やります。

 

さて、食事処に到着するとそこは立派なお家。

社会の教科書でしか見たことがないような家具がたくさんありました。

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さて準備が整ったようで、いよいよお食事スタートです。

 

まずは前菜から

 

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左の小鉢に盛られた白い食べ物は初乳をしぼって作ったカテッジチーズ、チーズの香りとそぼろのような食感。これは江戸時代に将軍がつくらせて、当時の重要な栄養源になっていたそうです。

 

右奥に見える卵焼きは産みたて卵をつかった卵焼き。

半熟でいただきます。

甘めの味付けは漬物との相性がいい。

 

日本は発酵食の国、漬物をこれだけ食べる機会ってないですよね。

新生姜の酢漬け、たまり漬けの2種類が特に美味しかった。

あとは真ん中の小鉢

はやと瓜という初めて食べましたが、甘酢漬けでした。

これが大変美味しい。

ゆずは門に入る途中になっていたものを使ったのか、贅沢に入って香りがとても強かった。

 

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自家製こんにゃく

もちもちして、僕は市販のこんにゃくより断然こちらが好き。

香りもより自然な香り。

ここにもはやと瓜が。

 

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これが例のニワトリさんです。

大事にいただきました。

だって目の前にニワトリさんいるんですもん。

 

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こちらはニワトリさんのソーセージ

淡白でさっぱりとした味。

ピーマンの付け合わせがおいしい、ごま油の香りとシャキシャキな歯ごたえで、印象に残った。

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プラス50円で卵かけ御飯をいただけます。

 

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ニワトリさん、本当にありがとう。

スーパーに並んでいるニワトリさんは餌に着色がされていて、卵の黄身が赤く色づくようにされているのですが、じろえむさんの卵は真っ黄色。

自然のものを食べていると黄身がきれいな黄色になるようです。

 

締めのデザートです。

 

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甘酒のシャーベットと栗あんこ。

甘酒のシャーベット初体験でしたが、とってもおいしい。

もっと食べたい、、、

 

まだ夢中で食べて写真を撮り忘れ他のもありまして、

米粉のてんぷら、里芋の煮物、山芋とろろ、、、

とまぁ盛りだくさん

 

当然こうなります。

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おじいちゃん、おばあちゃんちでご飯を食べに来たみたいな、居心地のいい空間で、

店主のいなばさんも料理を出し終えると放置プレイ。

あやうく寝かけた。

呼びに来てくれ。

回転率という概念が無いようです。

最高です。

 

以上3000円なり

安いよね。

 

昔の当たり前が当たり前でなくなってしまって、どこの国の誰がどう作っているかが見えなくなった今、体に入っていくものが目の前にあるってなかなか貴重な経験です。

でもちょっと前では当たり前にあった姿なんです。

食べることは腹に入れて終わりではなく、生きるものを殺生して、生かしてもらうという意識が自然と共に生きるという上で必要だなって思います。

環境を壊すなんて自分を生かしてくれている自然を目にするとそんな考え持たないですよ。

もっと大事にしたいなって思うはずです。

こころのこもった「いただきます」「ごちそうさまでした」がじろえむさんにはありました。

 

店主の稲葉さんも丁寧な方で、笑顔が素敵でした。

ありがとう、じろえむ。

 

では、また!